2011年9月13日

【トルコ発展の構図】(2)強力な銀行部門・政府が礎 成長支える信頼と安定


2008年の秋から09年の秋ごろまで続いた世界金融危機は、一部を除いて影響がおさまったようにみえる。2010年には世界国民総所得が4%増加し、トルコ経済は8.9%の成長率を実現した。トルコも金融危機の影響を多少なりとも受けたが、「多少」ですんだのは、トルコが経済政策の主な方針、または基本的な目的として「信頼」を掲げているからだ。
 トルコでは、信頼を支えるだけの強力な銀行部門があり、適切な金融政策、通貨政策が適用され、政治的安定も確保されている。これらトルコ経済における信頼の礎となる基本的要素をみていこう。
 ◆危機脱出へ戦略
 トルコの銀行部門は、03~05年に行われた基礎的な構造改革により、健全性審査が行われ、銀行資本と流動性資産の増加が促された。銀行部門の健全性を示す自己資本比率の法的制限は8%だが、トルコでは目標値が12%に設定され、実際にはそれをさらに上回る19%だった。
 トルコでは08年の世界危機以前に国家財政が健全化されていたが、09年9月時にも「中期プログラム」が公表され、財政的観点から危機脱出の戦略が明示された。
 また、経済政策に関する不確定要素が取り除かれ、見通しが提示されるのと同時に、公債の持続可能性に対する期待が高まった。この中期プログラムは、市場からも非常に高い評価を受け、4つの主要な格付け機関がトルコの格付けを引き上げた。金融危機の間に、格付けが2段階引き上げられた国はトルコだけだ。
 同じ時期に、欧州連合(EU)諸国が財政再建策を打ち出して実施することは非常に困難だったが、トルコはこの中期プログラムを現在まで例外なく実施し続けてきた。

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