2011年9月13日

【トルコ 発展の構図】(1)マクロ戦略奏功 インフレ抑制


■「観光収入」「対外貿易」大幅アップ
 欧州、アジア、アフリカ、中東の接点にあり、急速な経済成長を続けるトルコ共和国。観光はもちろん、投資先としても関心が高まる。トルコの今をさまざまな視点から伝える。
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 トルコには歴史的にも地理的にも影響力の大きな多様な文化が多くの痕跡を留め、歴史に残る人類最初の文明にまで達するほど深く根を張った文化遺産がある。いくつもの帝国を築き上げた民族のモザイクを成すトルコ。その豊かさは驚くほど多様で、現代風の生活を経験すると同時に、遥(はる)かなる過去をも垣間見ることができる。まさに歴史と文化が交差する場所だ。
 ◆重要な対外投資先
 一方、トルコ経済は過去8年間にわたり着実に成長し、めざましい発展を遂げてきた。2002年から実施されてきた堅実な財政政策と大規模な構造改革をともなう健全なマクロ経済戦略が功を奏し、トルコは今やグローバル化が進む世界経済に統合され、地域で重要な対外直接投資(FDI)先になった。
 トルコの欧州連合(EU)加盟のプロセスによって加速された構造改革の結果、さまざまな分野で包括的な変化が生じている。こうした取り組みの主な目的は、トルコ経済における民間部門の役割を強化し、金融部門の効率と抵抗力を高め、社会保障システムの基盤をより強固なものにすることだった。この改革によって同国のマクロ経済基盤が強化されたことからインフレ率が急激に抑制され、02年の30%から10年末には6.4%に低下した。

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