2011年1月6日

トルコをもっと知ろう~ ④地理

マルマラ地方
トルコの北東部に位置するマルマラ地方の面積は7万2,845km²で、国土の9.32%を占めている。黒海、マルマラ海、エーゲ海に接したこの地方にイスタンブールとチャナッカレ海峡があり、アジアとヨーロッパをつないでいる。エーゲ海岸沖にあるボズジャ島とギョクチェ(イムロズ)島も、マルマラ地方に含まれる。
他の地方からの移住の絶えないこの地方の人口は、2008年に行われた国勢調査(ADNKS)の結果、2104万4,783人に増えた。このうち1896万9,841人は都市部に、207万4,942人は村落部に住んでいる。
マルマラ地方は、イスタンブール、ブルサ、イズミットを中心にトルコの産業の要となっている。マルマラ地方の主要工業製品は、加工食品、繊維、既製服、セメント、紙、石油化学製品、自動車と自動車部品、金属、電気製品、車両、船舶などである。工業や商業だけでなく観光も重要な収入源となっている。
マルマラ地方は、ヨーロッパとアジアをつなぐ最短陸路と、黒海を地中海へつなぐ海路が交わる地に位置し、他の地方よりも有利な立場にある。そのため、この地方はあらゆる分野で発展し豊かになった。何世紀もの間、数多くの文明が誕生し栄えたマルマラ地方は、歴史的建造物や美しい自然のある、世界でも重要な文化、芸術、観光の中心地の一つとなっている。

国際都市イスタンブール


 8000年の過去の蓄積をもつ歴史的舞台であり、博物館、宮殿、城壁、海沿いの邸宅、豊かな自然を有し、信仰の中心地でもあるイスタンブールは、世界の文化と文明の遺産を有する寛容と融合の都市である。「帝都」イスタンブールは、紀元前 658年にメガラ人によって建設され、ビザス王にちなんで「ビザンティウム」と名づけられた。


マルマラ海と金角湾に挟まれたこの歴史的な半島は、ローマ、ビザンチン、オスマン帝国の首都として、その時代の多くの芸術作品を所有し野外博物館のようである。

オスマン帝国の400年間において政治の中心にあり、現在博物館になっているトプカプ宮殿の世界的に有名な作品やイスラム教の預言者ムハンマド個人およびその時代に属す「聖遺物」などは、多様な宗教や文化をもつ人々の注目を集めている。

イスタンブールには、もう一つ壮麗な宮殿がある。スルタン・アブドゥルアジズの命令により建設されたドルマバフチェ宮殿である。この宮殿は56本の柱で支えられ、4.5トンもの重量のあるシャンデリアで照らされている。トルコ共和国建国の父であるアタチュルクは、1938年11月10日にこの宮殿で永眠した。

イスタンブールに約500のモスクがあるが、このなかで、ミナレットが6本あるスルタン・アフメット・モスクがもっとも有名であ
る。スルタン・アフメット広場にはモスクの他に泉もあり、観光客でにぎわっている。高名な建築家、ミーマル・シナンが造ったスレイマニエ・モスクも重要である。

コンスタンティヌス大帝の時代(4世紀)に建設が開始され、バジリカとして建設されたアヤソフィア博物館は、ビザンチン時代の最高傑作である。高さ55m、幅 31mのドームをもち、面積においてローマのサン・ピュトロ、ロンドンのセント・ポール、ミラノのドゥオモ (大聖堂)に次いで4番目に大きく、年代的には一番古い大聖堂である。カーリエ博物館と地下宮殿(イェレバタン貯水池)も見る価値がある。地下宮殿は、6世紀にビザンチンの人々によって都市に水を提供するため建設され、336本の柱をもつ。

イスタンブールには、これらの他にもイスタンブール考古学博物館、アタチュルク博物館、サドベルク・ハヌム博物館、モザイク 博物館、産業博物館、海洋博物館、トルコ・ユダヤ博物館、乙
女の塔、ガラタ塔、ルメリ・ヒサール(要塞)、アナドル・ヒサール、イスタンブールの城壁など数多くの博物館や記念碑がある。

15世紀にできたグランド・バザールは、観光客が多く訪れる場所の一つであり、中にある4,000軒ほどの店では、宝石、骨董品、絨毯、銀や銅製の土産品、革製の服、木や螺鈿の彫刻などが売られている。17世紀にハティジェ・スルタンによって建てられたエジプト・バザールでは、いろいろな種類の香辛料を見つけることができる。
イスタンブールには新しいショッピングセンターもたくさんある。カローセル、アタキョイ-ガレリア、アクメルケズ、カピトル、カルレフォルサ、プロフィロ、クレ、クレ・チャルシュ、カニヨン、イスティンイェ・パーク、イケア、ジェヴァヒルなどのショッピングセンターともに、イスティクラル通り、ルメリ通り、バグダッド通りも、イスタンブールで人気の高いショッピングエリアである。


いろいろな映画祭や音楽祭、演劇、オペラ、バレエ、コンサートなどの催しや、国際シンポジウム、会議、コンテストなどが開催されるイスタンブールは、世界でも有数の文化都市となっている。毎年6~7月に開催される 「国際文化芸術フェスティバル」には、世界各国から有名な芸術家が参加する。

イスタンブールでは、国際的なスポーツ大会もよく開催される。
キリオスとシレは、イスタンブール近郊の海水浴場である。19世紀にポーランドからの移民が定住したポロネズキョイは、森林に囲まれた最良の保養地である。国立公園のベルグラドの森は広大で「イスタンブールの肺」として知られている。この森にあるアタチュルク樹木園と、オスマン時代からの水道橋は一見の価値がある。シリヴリとケメルには広いゴルフ場がある。

文化の発展

欧州文化首都(Cork)に推薦されたイスタンブールは、2007年11月13日にブラッセルで行われたEU文化閣僚会議で正式に承認された。イスタンブールは「4つの要素をもつ都市」というスローガンのもとに都市のPRを行う。またイスタンブールとともに、ハンガリーのペチとドイツのエッセンも「2010年欧州文化首都」に選ばれた。
イスタンブール、サフランボル、ボアズキョイ、ネムルート山、クサントス・レトーン、ディヴリーのウル・モスクと病院、トロイ遺跡は文化遺産、パムッカレ、ギョレメ・カッパドキアは複合遺産として世界遺産のリストに登録されている。

コジャエリ、サカルヤ、ハンニバルの墓 


産業都市であるコジャエリの周囲は、野菜畑や果樹園で占められている。ローマ時代に「ニコメデイア」という名で知られていたこの都市と周辺には、オスマン時代から残る数多くの歴史遺物がある。近郊の町ヘレケは手織絨毯で有名である。
マルマラ海北部海岸にあるゲブゼも古い歴史をもっており、そこには有名なカルタゴの将軍ハンニバルの墓がある。


広い平野に豊かな農業地域をもつサカルヤも、産業中心地の一つである。

トラキヤ:あたり一面のひまわり畑とぶどう畑 

トルコのヨーロッパ側に位置するトラキヤの肥沃な土地のほとんどで、ひまわりとぶどうが栽培されている。
ヨーロッパからの旅行者がトルコの西門であるエディルネから入国すると、まずトルコ建築の傑作の一つであるセリミエ・モスクと出会う。伝統的なクルクプナルのオイル・レスリング大会は、この町の緑の多いサライイチ地区で行われている。トラキヤの西に位置し、広い海岸やオスマン建築の独特な建築物のあるテキルダーは、ぶどう畑やワイン祭で有名である。自然や歴
史の豊かな地であるクルクラレリは、トルコのヨーロッパ側で最も大きい県である。黒海沿岸のイーネアダとクユキョイは、きめの細かい砂浜の海水浴場で有名である。

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