豊かな歴史遺産に恵まれたトルコは、世界有数の観光立国として知られています。世界観光機関によると、2010年にトルコを観光で訪れた外国人は2,700万人で、その数は世界第7位に、また、同年のトルコの観光収入は208億米ドルで、その額は世界第10位となりました。(ご参考:同年の訪日観光客は861万人、日本の観光収入は132億米ドル)。また、トルコホテル連合によると、今年、トルコを訪れる観光客数が3,100万人に達し、観光収入は250億米ドルと見込まれています。
7月末に発表されたトルコの6月の外国人観光客数は前年同月比+6.7%となり、観光収入は同+14.0%となりました。バカンスシーズンとなる7月から9月にかけては、例年、欧州や中東から多くの観光客がトルコを訪れることから、この時期は、観光収入の増加が見込まれています。観光収入の増加は、サービス収支黒字を拡大させ、トルコの経常赤字の縮小に寄与することから、為替相場を見る上でも注目されています。
トルコでは、トルコ中央銀行が、経常赤字の改善や投機資金の流入抑制を目的に政策金利を低水準に抑える一方、銀行貸出の抑制によって景気の過熱を抑えることを目的に預金準備率を大幅に引き上げるといった、異例ともいえる金融政策を続けていることがトルコリラの下落要因のひとつとなっています。しかしながら、好調な内需を背景にトルコが高い経済成長を続ける中、7月および8月の観光収入の好調な数字が出てくるにつれ、トルコリラへの下げ圧力は徐々に後退していくと期待されます。
詳細:http://www.morningstar.co.jp/webasp/sonybank/pdf/market_report/nikko110819_1_ITKRP.pdf
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